しかし、両親の尽力と素晴らしい医師との出会いにより、病気がちな体質は改善され「健康」でいることがどれだけありがたいことかを身に染みて実感しました。

現代では、病気のない人生を送りたいという意味で、長寿に重点を置いています。癌やアルツハイマーなどの病気を治すことにフォーカスし世界の企業は投資しているのです。

さらに不安から逃れるための解決策として、再生医療、すなわち治療用幹細胞の生成と使用、組織工学、人工臓器の製造など、損傷または病気になった細胞、臓器、組織を再生、修復、交換する医術を生み出しました。

優れた医術を人命を救うために使うのであれば、それは倫理的です。しかし、より良い遺伝子を受け継いだ子孫を残すため、あるいは人々を長生きさせるため、さらには不老不死にするために使うのであれば今世代の人間はまだ受け入れる準備ができていません。

しかし人間は強欲な生き物です。私自身も健康に満足していたはずが今では「若返り」を望んでいます。

なぜ人間は老いが怖いのでしょうか？ それは、「不安」の気持ちが心に宿っているからです。

「もし病気になったらどうしょう？」「容姿が衰えてしまったらどうしよう？」「身体が動かなくなってしまったら？」

毎日人は目に見えない不安と戦っているのです。そしていつの時代も人は、不安から逃れるための解決策を探し求めます。そこで私が掲げる人生の目標は【老化への不安から解き放たれた日々の実現】です。

「この本を読んでみる？」

ある日看護師さんから言われた一言。幼少期の私は入院中何もすることがなかったので、看護師さんから貰った本をひたすら読んでいました。しかし私はあっという間に読書に夢中になり、私はたまたま応募した読書感想文か何かのコンテストで優秀賞を取りました。

“もしかしたら自分は文章を書くことが得意なんじゃないか？”

小さな右手で鉛筆を握り、真っ白のノートに文章を綴りながらワクワクした気持ちで「明日も本を読みたい」「いつか作家になりたい」そんな夢を抱くようになりました。それは大きな希望となり、未来への不安を解消してくれる相棒のような存在でした。